Nightmare


気温も下がり毛布の外では身を刺すような寒さに襲われる深夜のこと。
レイアは一眠りしたあとその寝苦しさから夢の世界から脱出し、重い目蓋を開けて、視線を宙に彷徨わせている。一人ぼっちの夢を見ていた。否、一人ぼっちなどではなかった―――誰も、自分のことを見向きもしないだけで。
傍らにはいつもはいないアルヴィンが寝息を立てていた。レイアは覚醒しない意識で彼が今日は泊まっていくと言っていたことを思い出す。
あれは夢などではない。レイアは白い天井を視界に捉えると、そう頭の中で断言した。
幼馴染みは、結局一度もこちらに振り向いてくれることはなかった。傍にいて支えるだけでいいという自分の言葉は虚勢を張っていた部分もなきにしもあらずだった。

異性の隣で別の異性のことを考えるのはよくないことと知りつつも、今のレイアは思考の奔流を止める術を知らなかった。

でも。
幼馴染みがあの精霊に憧れる気持ちは、自分とて痛いほどにわかっていたから。
―――そう、苦ではなかったはずなのだ。


「眠れないのか?」
「あっごめん起こしちゃった?」
「いや。昔の癖でよく途中で目が覚めるんだよ」
「そっか」
「で、レイアは?」
「へ?」
「今にも泣きそうな顔してる」


レイアは溜息をつくと、おもむろにそう独りごちる。


「私、ずっと苦しかった」

声色に驚いたアルヴィンが振り返ると、レイアの瞳からは涙が一粒、零れ落ちていた。
抱き寄せた身体は、あまりにも、重い荷物を背負い過ぎていた。