いくら付き合う前より一緒にいるようになったとはいえ、彼女の徹夜癖が直るはずもない。論文があと少しで完成するからと言って、研究室に籠もっては、次の課題をひらめいたからと言ってまた戻っていく。そんな自分も、騎士団と評議会の間のいざこざで二日寝ていなかったが、彼女は食べるものも食べていない。

 研究室に行くと案の上本の山があちこちで積み上がっていて、見かけではどこにいるのかもまったく見当もつかない。ようやく見つけたかと思うと、今度は古い文献を読みあさっていて、呼びかけても反応しない。頼りなくか細い手足が余計にこちらを心配にさせる。
 こうなったら意地でもこちらを向かせてやるしかない。彼女の後ろから背中と足の方を抱えるとそのままベッドに連行する。

「……何……え!?ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」
「待たないよ」

 じたばたと抵抗するが、疲れ切っているはずの彼女の抵抗は無意味に近い。軽くキスを落とすとしぼんだように大人しくなった。手足から顔まで真っ赤に染め上げた彼女が愛おしく思える。
 布団に寝かせると、自覚は無かったようだが、よほど疲れていたのか言葉なしに寝入ってしまった。
 穏やかな寝顔を見ていると、虚をつかれたように眠くなってくる。今はまだ眠っても大丈夫だろう。




君の寝息を子守唄に
(忙しい毎日に、ひとときの休息を)

フレリタです。
だんだんマニアック感が増してきている気がするけれど、次は…そうじゃないはず。

[2011年 03月 19日]